ミニコロボックル備忘録

そうです、そういうわけです

五等分の花嫁でリアルの人間関係を考える

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五等分の花嫁という作品はいわゆる主人公の秀才・上杉風太郎が5つ子の美少女達に惚れられるラブコメである。
私はこれを人にオススメされ軽く読み、アニメもチラッと見てみた。

そこで思ったのが、姉妹の距離感とかなんかリアルだなぁ…である。
まず長女の一花
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いわゆるからかい上手のお姉さんタイプの長女(主人公と同い年なのだが)。姉妹の中で四葉と同じく影でコソコソするタイプ。
一見しっかり者のあっけらかんとしたお姉さんに見えるが、時には妹である三玖に変装し、バレたら好きな相手からの好感度が地の果てまで下がり、今後話すことすら危ういリスクありまくりな裏工作をしだすのでやはりちょっとお馬鹿。それで付き合えても罪悪感といつバレるか分からない恐怖心で嫌になりそうだけどなぁ。色々なあれこれが重なりライバルを蹴落とす方向に行ってしまった可哀想なお姉さん。自分の好きな人の近くに居たら一番怖いタイプであるのは間違いなし。自分の好きな人が短絡的な思考の人だった場合誤解されたまま別れる事になりそう。
だが一時期の闇堕ちは置いておいて 本来の彼女はやはり姉妹にとって頼りになる慕われるお姉さんというやつで、闇堕ち以前と闇堕ち解消後のムーブは最高。可愛い。
5つ子の中で五月と同じくらいファッションが好みだった。

次女の二乃
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は、これ!と思ったらこれ!のストレートな暴走機関車タイプ。5つ子の中で1番私とは程遠い人間性だなぁと感じる。「強さの中にある脆さ」筆頭という感じ。
イメージカラーがマゼンタピンクだったり紫だったり色々ある。個人的にマゼンタピンクが似合うと思う。
基本的に私のラブコメや少女漫画での好きなキャラクターは「主人公」と「恋愛相手のキャラ」の2人の絡み方や2人の要素で好きなキャラが決まるので、主人公が風太郎というキャラでなくもっと内気でネガティブ(だけど内側には強さがある)みたいなキャラだったら二乃と結ばれて欲しかったなぁ…と思ったかもしれない。あ、男版三玖だ。
つまり私は両者の要素が正反対のカップル(コンビ)が大好きです。

三女の三玖
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は、五等分の花嫁という作品で1番人気のキャラクター。内気だけど何気に多分姉妹で1番根っこは図太い人間だと思う。外が強く内側は脆い二乃とは結構正反対だけど、だからこそ2人は姉妹の中でセットというか1番相性良いんだろうなと感じる。
これは全員に言える事だが作品(もしくは主人公)が違えばこの子が花嫁だっただろうなって。強気で男らしいけどたまに弱さのあるような武士系主人公と、内気で守ってあげたくなる…かと思いきや内なる強さがあるような尽くす大和撫子ヒロイン三玖。的な。

四女の四葉
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は、ネタバレすると花嫁である。うっえすっぎさーん!
子供っぽい言動、ファッションのわりに精神年齢が1番大人なのが厄介な主人公の風太郎と小学生の頃に会っている運命力の強いヒロイン。いわゆる「闇のある元気っ子」というやつ。馬鹿ではあるが馬鹿ではない。影でコソコソする度姉妹ダントツ1位。学力的には馬鹿だが1番馬鹿ではない。
個人的にもう少し可愛い服を着た四葉が見たかったなぁと思った。

五女の五月
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は、終盤人知れず風太郎への恋心を自覚し人知れず失恋した良い立ち位置のマスコットキャラクター。私が5つ子の中の一人だったら主人公には恋をせず五月の立場で傍観決め込みたいなと思いながら読んでいた。四葉の背中を押していたつもりだったらしい。敬語解除のヒロイン力はやばかったが結果的に「恋愛感情の一切ない義妹」という唯一無二の良いポジションに収まる。
正直自分の服の好みに一番近いので五月のファッションを見るのが楽しかった。ロングスカートとても好きです。



と、まあ5つ子の紹介はここまでにして、
読んできた中で思ったのは姉妹間の人間関係がリアルだなぁ…ということ。

まず私はリアルで居たら二乃が1番遠い存在だったなと思う。(二乃を貶めているわけではなく)
いつでもまっすぐでとにかく真っ向勝負。言いたい事は言う、相手にも勿論言いたいことがあるなら言え、自分は自分。とにかく私から見ると眩しいのだ。全くもって正反対なタイプだから、二乃のような人を羨みながら生きる人生だった。
そしてそこで注目したのが、二乃と一花、二乃と三玖、 そして何より二乃と四葉の関係性。あと一花と四葉

まず一花と二乃。
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長女と次女。だが結構力関係的には対等で、ある場面ではむしろ二乃の方が姉だったな…という所もある。あの中のボスは二乃だなぁ。
コソコソ影で暗躍する一花と、真っ向ストレート勝負な二乃とで一見最高に相容れないように見えるし、多分一花が闇堕ちせずにいたら最後まで相いれなかったように思う。
大きく行動したからこそ、ある意味で自分の意思を貫いたからこそ、二乃という人間に気に入られた(というのには語弊があるが)んだと思う。
一花は世渡り上手というか上手いなぁと思うけど、やらかしが大きかったなぁ…でもだからこそ姉妹にちゃんと溶け込んでいった気がする。大きく失敗しない限り二乃とはなあなあな関係で終わった気がします。

次に二乃と三玖。
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この2人はセットで描かれてる事が多いように本当にベストコンビだったなぁと。だからこそメタ視点で見れば主人公と結ばれるの難しそうだな…とも思った。
まず二乃タイプの人は三玖タイプの人間と本当に相性がいいと思う。というか、気に入る。庇護欲をそそり健気な妹。そりゃ姉御肌な二乃からしたら可愛いよなーって。
三玖から見た二乃は1枚目が全てである。二乃という一見気の強いけど繊細な人間と、それを微笑ましく隣で見守る一見気が弱そうに見えるけど意外と立ち直りの早い三玖。三玖から見ても二乃は可愛い、二乃からみた三玖と違う意味でまた可愛いだろうなって。いつでも一生懸命でまっすぐで、だからこそ脆い二乃の隣にはやはり三玖が合う。お互いがお互いの支えになり得るしストッパーにもなりえる。
姉妹間百合に落ちてしまいそうになった。

そして1番は二乃と四葉
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二乃タイプの人間からしたら、そりゃ四葉はダントツ姉妹の中で相容れない存在だろうなって…。
悪い言い方をすると誰よりも「思い通りにならない」「読めない」存在です。
一花と四葉は同じ「影でコソコソ」タイプですが、それでも一花は「相手を手に入れたい」という強い思いで行動をしました。方法はズルくお世辞にも褒められたものではありませんでしたが放棄はせず貫いてます。そして大きく失敗し、その分反省し、人間的な魅力を取り戻しました。
でも四葉は徹底的にその本心を隠しています。ほぼほぼ他の姉妹の誰にも終盤まで悟らせず、自分の思いをずっと封印し続けました。それどころか諦めモードで恋愛レースに最初から参戦しようともしません。二乃の「強さの中にある脆さ」とはまた別の弱さというか。姉妹への遠慮もあり同じ土俵に上がる事を放棄し、でもそんな状況のまま少しの希望に縋り、自制し…の繰り返しな豆腐メンタルです。
二乃から見た四葉はずーーーっとお面を被っています。表向き子供っぽい四葉のキャラクターに乗り勿論「大事な姉妹」の1人なので大事に思い仲良くしていますが、四葉風太郎への思いは気付いてなかっただろうとはいえずっと「常に何かを隠してる」違和感には勘づいていただろうと思います。絶対に内側を完全には見せてはくれない。ずっと周りに対して一定の壁を作っている。二乃からしたら自分と正反対過ぎて気味が悪かった事でしょう。勿論四葉への愛はめちゃくちゃあったし大きかったと思います、だからこそ心を開いて欲しいとずっと思っていたはず。
まさに真っ向勝負の二乃とは対象的な存在が四葉です。
逆に、四葉からみた二乃もある意味大きい存在だったと思います。曲がり道ばかり、空っぽで、大きな挫折も経験し、姉妹への大きな罪悪感のある自分と、まっすぐ1つの方向だけを見る自分と正反対の二乃。眩しかっただろうなぁ。
私はどちらかと言えば四葉に少し共感できる価値観の人間なのでどうしても四葉に肩入れして話してしまいますが、二乃は本当に人間としてとても魅力的な人間だと思います。とても「陽」側の人間だなって。そんな二乃の「弱さ」を見付けてくれる人と将来は幸せになって欲しいです。
四葉と二乃は最終的に、本当に最後の最後で大きくぶつかる事で仲は改善しました。
それ以前の二乃はどんな感情で四葉を見てたんだろう。そう考えると私が接してきたあの子やあの人は私をどんな風に思ってたんだろうと考えさせられます。
人と向き合う事ってとても精神と体力を消耗するのです。それを面倒くさがりでフットワークの重い私は「その後の自分の消費した色んな物のケア」を面倒くさがり放置してしまいがちになり、無難な対応しかせず逃げていつの間にか疎遠になってしまう。だからこそ避けれた傷付く事も勿論たくさんありますが、大きく成功する事はめちゃくちゃ少ないです。これは対人関係だけでなく私の人生全体に言えます。落ち込むなぁ。
相手とのぶつかり合いを避けずに向き合った四葉は凄いです。あ、あと「ちゃんと相手と向き合えるかどうか」はフィジカルも関係ある気がします


そしておまけ程度に一花と四葉
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この2人は作者さんがセットのつもりで書いてる、と言っていた通り似てると思います。似てる。
同じ影でコソコソタイプです。そして一花は四葉が居なければ1番いい線いってただろうなと私も思う。要所要所で風太郎を支えるムーブをしていましたし、風太郎も一花を頼りにしている描写が多かったです。
終盤、四葉に対してどう思いを伝えればいいのか…?という場面でもそうでしたね。
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2人の関係性ですが、四葉にとって一花は大事な姉妹でありまあトラウマもんの存在でもあります。多分私が四葉の立場で風太郎を好きだったら1番ダントツ怖いのは一花です。次点で五月かなぁ。
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いつでも自分の物を持ってくジャイアンな一花、しかも美人(同じ顔ですが)、女優、一見世渡り上手な性格、成績も姉妹の中では比較的良い方、風太郎への接し方や風太郎からの接し方も傍から見れば「バランス良い協力関係」に見える。長女と長男としてちょっと落ち着いた2人の世界もあるような。四葉が部活の手伝いを辞めるように働きかけてくれる際の2人のムーブも相棒同士感があります。
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私なら2人の関係に劣等感持つだろうなって。子供(に見える)っぽく見える自分じゃあな…と引け目を感じてしまうと思います。
ただそれでも一花は勿論大事な姉妹でした。転校先にも付いてきてくれ、姉として優しく姉妹や自分を導いてくれた二乃とは違った意味で眩しい存在だったと思います。
一花からみた四葉は複雑だったと思います。一見自分が助けてあげなきゃいけない子供っぽい妹。でも自分が深く悩んだ際は四葉の言動に大きく助けられましたし、実際一概に一花の方が大人だったとは言いきれない所があるなぁと思います。一花の部屋を掃除していたのも四葉ですし、何かとやっぱり妹に助けられている場面があるなと。

とまあ長くなりましたが、とにかく
結構5つ子の関係性をリアルな人間関係にあてはめてみても何かと痛いところつく場面があるなぁと思いました。
五月は結構自分の中でファンタジーな存在で、1~4は結構 ああ居るなぁこういうタイプ…というのがあるのですが五月だけは前例がなく、とにかく最初から最後まで「姉たちの可愛いマスコットキャラクター的妹」だったなぁって。あまり姉妹間で確執もなく、強いて言うなら二乃とちょっとあったくらいかな。あとは四葉と少し。

ありがとうございました。おやすみなさい。